翌日の朝
「よっく寝たぁ〜っ!」
布団から飛び起きた春香はすぐに時計を確認した。
「あれ…まだ目覚まし鳴ってないや」
目覚まし機能を止めて足早に洗顔に向かう。
クマは少し残っていたものの薄く化粧をすれば隠せない程でもない。
朝の作業を終え、髪の毛を少し内巻きにカールを掛けて乾かしお気に入りのリボンを結う。
「フフフフン♪」
忘れ物が無いか確認してバッグを持って部屋を出ようとした時、勢い余ってテーブルを蹴飛ばしてしまう。
「いたっ!…たたたっくぅぅぅ」
テーブルの上に置いてあったアルバムが衝撃で吹っ飛び中の写真がいくつか飛び出していた。
「…片付けなきゃ」
渋々と片付ける為に飛び散った写真に向かっていく。
一つ一つアルバムにキチンと仕舞っていくと一枚だけ裏面に鉛筆で字が書かれていた。
― 初めてのオーディション合格、そしてランクアップおめでとう
これからもずっと二人で頑張ってトップアイドル目指そうな! ―
「プロデューサーさんの字…」
その文章を読んで春香はこの時からずっとプロデューサーは春香だけを見ていてくれていた事に気が付いた。
何か暖かいものが心の奥をふっと通り過ぎた。
「うん♪」
そう写真に返事をすると春香は写真をアルバムではなく財布の定期入れの部分にしまって部屋を飛び出した。
春の日差しもやや強くなり夏の訪れを予感させる午後。
春香の駆けて行く先にはプロデューサーの姿があった。
いつも一緒にいて春香を常に見守ってくれるプロデューサーの姿が。
終わり